古都金沢にある「小松弥助」、齢90になるが寿司に対する情熱に衰えを感じない。そんな古匠が繰り広げる寿司の舞台を楽しみに行きましょう。

古都金沢にある「小松弥助」、齢90になるが寿司に対する情熱に衰えを感じない。そんな古匠が繰り広げる寿司の舞台を楽しみに行きましょう。

【店名】
小松弥助
【所在地】
石川県金沢市

【性別】男性
【年齢】40歳
【職業】会社員


【お店を知ったきっかけ】
当時良く行っていた焼鳥屋の店主に誘ってもらい行く事になりました。
2005年当時から非常に予約の取りにくいお店で偶然予約していた知人の連れが行けなくなったとの事で誘われました。

【誰と行ったか】
紹介してくれた店主とその奥さん自分の3人で行きました。




【お店の雰囲気】
今は金沢駅前の料理屋さんの一角に移転しましたが、以前はAPAホテルの1階に小さな店を構えていました。
仲に入るとホテルの外観や待合所とは全く違う雰囲気、香りが漂っています。
席数はカウンターが8席程度、テーブルも2つありましたが、大将一人でお店を回す事が出来る範囲内に抑えてある印象でした。
店員さんは大将以外に3名いらっしゃいましたが、皆さんそろいもそろって同じ雰囲気佇まいでした。
まさに大将だけではなくお店の皆さんが意気をあわせておもてなししていると感じます。

【注文したもの】
お任せしかありません。
小松弥助は弥助の親方を味わうお店です。
だから、常連さんしかいないし、そこでアラカルトを頼む無粋な方もいらっしゃいません。
お任せで8貫ほどと巻き寿司が出てきて終わります。




【感想】
舞台を見ているような錯覚に陥りました。
丁寧に繊細に仕込まれたネタをその素材にあわせて鮮やかな包丁さばきで仕事を施します。
時に「おいしくなぁれ」とささやきながら、時に「これ、おいしそうでしょ?」と聞いてきたり一つひとつの寿司が出来上がるまで全く落ち着く暇がありません。
そうです、仕事に見入ってしますのです。
8貫と巻き寿司がで終わるまでの1時間弱の間、お店に来ている皆が対象の仕事に魅了されていました。
幸いなことにカウンター席、それも親方の仕事を横から見る事が出来る位置に座ることが出来たので所作一つ逃すことなく拝見できたことはとても良い経験になりました。
自分の漬け台に置かれた寿司を手でつまみ、口に運ぶと「わたし、いま、お寿司租借したっけ?」と疑う位はらりとほどけました。
ネタにあわせて包丁を入れているため、ネタとシャリの混在がスムーズになるのです。
そして次のにぎりが出てくるまではショータイムです。
このルーティンが9回行われます。
私が訪問した時は親方が新しく力を入れた“白山”というメニューがデビューしたばかりでしたが、それを嬉しそうにお話をされている無邪気な親方の笑顔を今でも忘れる事が出来ません。
おまかせでお願いしたお寿司が一通り出ると「お腹にあわせて欲しいもの言ってね」と言われ追加でいくつかいただきました。
「他になにかありますか?」などという考えはわきません。
ただ、もう一つ食べたいと思うに握りが8貫も用意されたのです。
その中から選んで決める事が非常に難しいです。
帰り際に「また来てね」と朗らかな笑顔でお見送りしていただきました。




【他のメニューやトッピングなど】
お任せで一通り用意されています。
一つひとつに丁寧に仕事が施されている為、塩や醤油などの卓上調味料は用意されていません。
無論デザートの類もありません。
ビールはサッポロエビス、日本酒の銘柄は失念しました。




【エピソード】
良い意味で何もありません。
親方も客も今共有している 寿司”以外の余計な話題が存在しない空間・時間でした。
私は初めての訪問だったのですが、親方は初めての私にも「初めてですね?どちらからお越しですか?」と気を配ってくれました。
ちなみに私以外のお客様にも一人ひとり挨拶をしており、全てのお客様の顔を覚えていらっしゃったので驚きました。




【知人の評判】
「行ったことはあるが、2回目行きたいとは思わない。」「あんなのは寿司じゃない」などと言う方はいました。
逆に「うらやましい」「連れてって欲しい」という方もいました。
別の感覚の発言としては「予約できるコネ持ってるんだね」とか「あの店行けるってお金持ちなんだね」などともいわれました。




【他との比較】
スーパーに売られているお寿司はある意味静止画像だと思います。
それと比べて小松弥助のお寿司は何画素かわからない人間の目で見る動画だと思います。
別に小松弥助さんに限ったことではありませんが、人が人の注文を受けて握っているお店のお寿司は生きていると思います。
そしてこちらのお店は親方の寿司職人としての経験を裏付ける“仕事”を見て食べて楽しむことができると感じます。




【価格と満足度】
当時は3万円位だった記憶があります。
人により価値観は違うと思いますが、これだけのショータイムを見させていただき、美味しい物を用意していただいたのであれば店側が提示する金額に相応しいのではないかと感じました。




【期待すること】
親方はかなりの高齢です。
1日でも長くファンの方を魅了し続けて欲しい。
お弟子さんはいらっしゃるのでお店を続ける事は可能だとは思いますが、やはり弥助の親方の境地にたどり着くことは不可能だと思います。
なぜなら、人だからです。
弥助の親方がそうであったようにお弟子さんが自分にとっての弥助魂をもって新しい弥助にしていっていただきたいと思います。



寿司の東西「東の久兵衛、西の弥助」という言葉がある。
そこはお寿司の舞台です。
弥助の親方が披露するショータイムを一緒に楽しみに行きませんか?人生の大半を寿司に捧げてきた親方の仕事と立ち居振る舞いは絶対に一度は体感した方が良い。
あの店は行ったことを自慢する店ではありません、あのネタこのネタを食べたと自慢する店でもありません。
小松弥助に行く目的は親方と同じ空間で寿司を共有することだと思います。

小松弥助
石川県金沢市
男性・40歳・会社員
古都金沢にある「小松弥助」、齢90になるが寿司に対する情熱に衰えを感じない。そんな古匠が繰り広げる寿司の舞台を楽しみに行きましょう。